家に着いたのは6時前だった。
「ただいま~」
靴を脱いで上がろうとすると、リビングからドタドタという足音と共に彼が現れた。
「おかえりッ!!」
「あ…大和ぉ~!!」
嬉しそうな笑顔。きっと今日はうまく行ったんだろうと予想することができた。
「あのね、帰って来たばっかりで悪いんだけど…話聞いてくれないかな」
「うん、もちろん!…お母さんいるんでしょ?2階に行こうか」
大和は頷いてあたしの後に続く。
「あら、お帰り。夕飯できたら呼ぶわね」
お母さんの言葉に“うん”とだけ言って、部屋へと向かった。
「…今日、どうだったの?」
荷物と共にベッドに腰掛けながら尋ねる。
大和は勉強机の椅子に座った。
「うん、もうバッチリ!!
遊園地に着くまではなんだかよそよそしかったんだけどね、いざ中に入ると二人とも子供みたいにはしゃいじゃって。
今までの険悪なムードなんかなかったようにみんな笑顔だったよ。
…きっと、今日みたいに気分転換って言うか…、心から家族で笑い合うことをたまにでもしていたら離婚なんて思わなかったんじゃないかな。
仕事ばかりの毎日で、家族としての触れ合いがなかったんだもん。
お互いに何を考えてるなんかなんて分らないもんね」



