涙ぐんだあたしの顔を見て、二人はハッとした顔つきになった。
「ご…ごめんなさい…。あたし…そういうつもりじゃ…」
口に手を当て、おろおろとする薫ちゃん。
「悪い…。お前の気持ちも考えないで…。真希にも酷いこと言っちゃったな」
和樹もそう言って謝ってくれた。
あたしは、目に溜まった涙を腕でぬぐって、鞄を持つ。
「…いいの。
二人とも不安なんだよね。いつになったら真希が心を開いてくれるのか。
あたしも不安だよ。
だけど、待つことしかできないんだよ…。こんな事で仲間割れして、大事な友達を失くしたくないの。
…ごめんね、今日は帰る。
また明日ね」
「ええ…」
「気を付けて帰れよ…」
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ごめんね、真希。
あなたが秘密を打ち明けなかったのは、あたし達の為でもあったんだね?
…それに気づくことができたのは
もう少し後のことなんだけど。



