『ふふっ。構いませんよ。旦那さんがお越しになってください。』
「ありがとうございます。」
だ、旦那さんって!
嬉しい反面かなり恥ずかしいんだけど!
「それでは失礼します。」
電話を切ったあと俺は着替えて持っている地図を頼りに料理教室をやっている
建物までいった。
【Let's cooking!】
と書かれた建物の看板は“いかにも!”と言う感じだった。
中に入ると、色々な香りがした。
甘い香りから辛そうな香り。
はっきりいって入り口は居心地のいいものではなかった。
入ってから暫くして誰かがやって来た。
「愛場さんの旦那さんでしょうか??」
………俺にこんな風にきくってことは…
「はい。山路克哉と言います。では、あなたが坂井さんでしょうか??」
「えぇ。そうです。
では上がって下さい。入り口はあまり居すぎると気分が悪くなってしまいますしね。」
俺は親切を有りがたく受け取り、中へと入った。
途中、友衣を見かけた。
本とのにらみ合い。いやいや!本をそんなに睨んでもいみないから…。
奥の事務室に行くとさっきまで調理室にいた友衣の姿があった。


