猫の姿に戻り、何かを考えながら砂地の固さを確かめるトゥインクル。暫くウロウロと足跡を増やしていたが、

「なおぉぉん」

一声鳴いて飛び上がった遣い魔の猫は(しっぽと耳を生やしてはいるが)見事な人間に擬態していた。

「すげえな、トゥインクル。そんな大きな物にも変われるのか!」

俺が興奮して抱き付いても、ずっしりと地に足を踏ん張って立っている。

「ふが、ふがが。なお」

これまで何度挑戦しても出来なかった人間への擬態が今、嘘のように容易く成功したらしい。

「そんだったらもっと、嬉しそうな顔しろよ」

トゥインクルは人間の顔でどういう表情をしていいのか解らないようだ。