「ああそうだ。石畳の狭い道を馬車が行き交っている。洗濯物を喧しい程にはためかす海風が、港の方から吹き上げてくる」

「空も海も考えられない程の濃い青。いえ、字は碧眼の碧なの。コバルトブルーね……」

俺とトゥインクルはとうとうアホらしくなって、その場を後にした。

「なあ遣い魔よ。お前に魔力はねえのか? あの邪魔者を消す位の魔力はよ」

トゥインクルは肩を落として溜め息をつくと、一度だけ首を横に振る。

「なぁぁお」

「がはは。ノーって言ってるみてえだ」

そして俺は折角転がり込んで来た可愛コちゃんを奪還するため、トゥインクルはご主人様を取り返すため、互いに励まし合いながら自らを切磋琢磨するようになったんだ。