「なんだかんだ言っても可愛い生徒なんですけどね」

松本先生の話はいつもこの言葉で締めくくられます。生徒愛に溢れた、いい先生です。

「今日も遅くまでお邪魔しちゃって、すいませんでした。ではまた」

松本先生は何度も頭を下げて去っていきました。

また交番に静寂が訪れます。

「三塚ぁ……」

先輩の声が聞こえた気がして表に出ました。

「あ……」

空の低い所に、でっかいお月様が微笑んでいます。

それはまるで先輩が本官を見守ってくれているかのようでした。

「三塚。頑張れよ」

「はい、先輩。任せて下さい」

「ははは」

お月様が声を上げて笑った気がしました。


みんなのお巡りさん 三塚俊一

〜FIN〜