「私が意地悪しないで会食に連れてってあげれば、あんなことにはならなかったのにっ」

堀内さんが先輩の布団に縋って泣き崩れます。

「さすがに先輩だって職務中に会食はしませんよ、ねえ先輩。先……輩?」

陽射しを照り返して満足げに微笑む先輩は、まるで眠っているかのように見えました。

「10時13分、ご臨終です」

本官は先輩にまた敬礼して、いつまでもその最期を見送りました。


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あれから五年。

中島先輩の遺志を継ぎ、みんなのお巡りさんになるべく邁進している本官。

しかしまだまだ途上も途上、先輩の足元にも及びません。