「うん。でも三塚ぁ、もう無理みたいだ……」

「先輩っ」

「中島巡査ぁっ!」

「ほら堀内さんもいらしてますよ? 病室の外にも、この窓の下にも沢山お見舞いの人が!」

本官は、涙を溢さないように気を付けて先輩を振り返ります。

「そうか。でも三塚、お前に頼みたいことが有るんだ」

「はい。何でも言って下さい」

もう本官は涙を堪え切れず、ボロボロと流れるに任せています。

「俺の後を継げ、三塚」

「え?」

「今度はお前が『みんなのお巡りさん』になれ」

「はっ、承りました」

本官は直立不動の姿勢で敬礼しました。流れる涙もそのままに。