「三塚ぁ……」

「先輩、喋ったら駄目です! 傷に障ります」

先輩は唇を紫色にして尚、微笑みながら続けます。

「彼女……大事に到らなくて良かっ……た」

「先輩! 中島先輩ぃぃっ!」

本官の腕の中で力なくガックリと項垂れた先輩を抱き起こし、本官はいつまでも叫んでいました。


───────


それから三日三晩。

何度も昏睡状態に陥りながらも、先輩は戦いました。

「三塚ぁ」

病室の窓からは温かな陽射しが差しています。

「何ですか先輩」

「うん。俺、みんなのお巡りさんになれたかな」

「勿論ですよ先輩。これからもずっと『みんなのお巡りさん』でいて下さいよ」

先輩はまた微笑んでいます。