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「がっちゃん。夕日が綺麗」

俺と可奈子は、ゴブリンと遣い魔の取り計らいで岩場に二人きり、沈んでいく太陽を眺めていた。

「俺には可奈子の方が綺麗に見えるぜ」

「ヤダがっちゃん。顔が赤くなっちゃう」

彼女の顔はオレンジ色に光っていた。やっと涼しくなってきた風が、秋の匂いを運んでくる。

「優勝は逃したが、可奈子達のお陰でこのメダルをゲット出来た。今迄だったら考えもしなかった成績だよ」

「私は何もしてないわ。トゥインクルとレオナルドが……」「可奈子の笑顔が俺に力をくれたのさ」

抱き寄せた彼女の肩は、壊れてしまいそうに細かった。


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そして春。

桜舞い散る、旅立ちの季節。