「やめろ野上! お前益々立場が悪くなるぞ?」

「立場? そんなものはこの際どうでもいい。俺はお前たちが気に入らないだけなんだからよ!」

そう言い放つと野上は、ポケットからジッポを取り出して火を着けた。

「ぶっ殺してやる! うぁぁぁぁぁっ」

喚きながら手に持ったダイナマイトに点火し、こちらに突っ込んでくる。

「レオナルド!」

加奈子がゴブリンの肩を揺すって急かしている。

「解った。それっ」

レオナルドが羽根を一回羽ばたかせると、野上の足元に沢山の花が咲いた。

「何だ? 花がいきなり」

初めこそ怯んでいた奴だが、すぐに花々を蹴散らしながらまた駆けてくる。