ジリジリと痛い程に照り付ける太陽。

足の裏を容赦なく焦がす熱砂。

吸い込まれそうな深い色をした青空はまた真夏の空気を取り戻し、モクモクと旨そうな入道雲が湧いて出ている。

長距離を走るランやバイク(自転車)と違って、ギャラリーの目前で繰り広げられるこのバトルは、やはり俄然盛り上がるんだ。

しかし今まで俺は、この長い手足が邪魔をするのとここ一番の踏ん張りが利かないばっかりに、いつも辛酸を舐め続けてきた。

人工呼吸や心臓マッサージの技術点はいつもトップだったんだけどな。

「がっちゃん! いいとこ見せてよっ」

そして可奈子の声は、他の歓声にも掻き消されずにハッキリと俺の耳に届いたんだ。