散々しごかれた俺は、大の字になって砂浜に寝転がった。

「ひぃ、はぁ、いくらスタミナが付いたとはいえ、これはきついゼ。はぁ、ひぃぃ」

すると可奈子が俺の側にしゃがみ、海を見ながら言う。

「私最近、色んな魔を操るようになれなくてもいい気がしてきたの」

「なんだよ、もう音を上げたのか?」

可奈子は微笑んだままかぶりを振った。柔らかそうな黒髪が海風に舞って、少し和らいだ陽射しをキラキラと反射させている。

「ううん、がっちゃん。レオナルドの能力を極限まで高めたいの」

秘かに瞳を闘志で燃やしているその様子から、可奈子が諦めで言ったのではないことが解った。

彼女はレオナルドに『ひとつの道を極める尊さ』を教えたいのだ。