リビングに戻ると彼以外でなんかを話していた 彼は膝の上に肘置いて下を見ているようにも、何かを考えているようにも見えた 「あぁ…早かったな…では行くか…」 「裏から行くといい…」 橘さまと直志さんがソファーから立ち上がってリビングを出る あたしは 「お世話になりました…旦那様、奥さま………仁さま…」 深々と頭を下げる 「すまない…茅智…」 彼は何も言わずに見てもくれない これで最後だと、本当に思った