【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

そう思い、ねねさまに続いて立ち上がった時だった。




突然、舞い散る花びらが乱れた。


そして破られる静寂。


瞬間わたしの中で巻き起こった風。


わたしはその風に胸を苦しくさせながら、その場に立ち尽くしていた。



そこには。


山桜の木の下には。


尼さまの寺で、一度だけ会った人。


その時もわたしの中に野分けのような嵐を残して去ってしまった、その人がいた。