【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「ここが、綺麗な場所……」


「そうよ。あなたに是非見せたかったの」


わたしたちは惚けたようになりながら、上の空で話していた。





緑の山に、そこだけが桜色の世界だった。


散り初めの桜ははらはらと、わたしたちの上に舞い落ちる。


それをひとひら手に取った。


「この世には、こんなに美しい場所があるのですね」


そんなわたしの顔を、ねねさまはじっと見つめていた。