「あなた、尾張に来てまだ間もないでしょう?屋敷からあまり出ていないようだし、もっと尾張の良いところを知って欲しいなあって思って……」
戸惑うわたしの気持ちを汲み取ったかのように、ねねさまはそう補足した。
「ね、時間が許すだけでいいから行きましょうよ。本当に綺麗な所なのよ」
ねねさまの必死な様子が伝わってきて、わたしは結局頷いていた。
「あなたがここに来た時から誘おうって思っていたのよ」
と後からそう付け加えていた。
ねねさまは女中に出かける旨を伝えると、腕に何やら荷物を抱えて表に出てきた。
それから堀の家に立ち寄り、志摩に断りを入れると志摩も快く承諾してくれ、わたしと
ねねさまは連れ立って歩き始めた。
先程の往来を山のほうに向かって歩いて行く。
「ねねさま、綺麗な所って山に?」
「ふふふ、着くまで内緒」
ねねさまはこのお出かけを心底から楽しんでいるようだった。
口元には常に笑みをたたえ、足取りも軽やかに、うきうきした気分が全身から伝わってくる。
戸惑うわたしの気持ちを汲み取ったかのように、ねねさまはそう補足した。
「ね、時間が許すだけでいいから行きましょうよ。本当に綺麗な所なのよ」
ねねさまの必死な様子が伝わってきて、わたしは結局頷いていた。
「あなたがここに来た時から誘おうって思っていたのよ」
と後からそう付け加えていた。
ねねさまは女中に出かける旨を伝えると、腕に何やら荷物を抱えて表に出てきた。
それから堀の家に立ち寄り、志摩に断りを入れると志摩も快く承諾してくれ、わたしと
ねねさまは連れ立って歩き始めた。
先程の往来を山のほうに向かって歩いて行く。
「ねねさま、綺麗な所って山に?」
「ふふふ、着くまで内緒」
ねねさまはこのお出かけを心底から楽しんでいるようだった。
口元には常に笑みをたたえ、足取りも軽やかに、うきうきした気分が全身から伝わってくる。

