【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「わ、わたしは秀政の恋人なんかじゃありません!」


わたしは激しく否定した。


するとねねさまは凄く意外そうな顔をして、


「あら、変ね。……先日秀吉がからかい半分に秀政どのにかまを掛けたら、今の迦陵と同じように顔を真っ赤にして、何も言わずに立ち去ったって言ってたから、私てっきりあなたたちはそうなのだと……」


「違います。違います!まったく違います!」


「そう、そうなの。だったらいいなあと内心嬉しかったのに」

残念ね。


そう言うねねさまは本当に残念そうだった。


「あ、あのそれじゃこれで」


「ああ、待って、まだ用は済んでないのよ」


まだ何かあるのかと渋々振り返ったわたしに、

「変なことを言って悪かったわ。あのね、お詫びと言ってはなんだけど、とっても綺麗な場所があるの。これから行ってみない?」


「綺麗な場所ですか?」


「お仕事があるなら仕方ないけど。でも今の時期しか見られないものだから、是非一緒に行きましょうよ」


「はあ……」


仕事はちょうど暇な時間だった。


でもねねさまが、どうしてそこにわたしを誘うのか。