【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

真っ暗な夜の闇の中を、わたしたちは手を繋いでそろそろとわたしの部屋へと向かった。


もう今からでは秀政の部屋を用意することはできない。


だから彼はしぶしぶながらわたしの部屋で眠ることにしたのだ。


とは言え、敷物はわたしの分ひと組しかない。


「私はここでいい」

と彼は部屋に着くなり壁に体を預け瞼を閉じてしまった。


「だ、だめだよ。そんなとこじゃ風邪ひくよ。ほら、わたしは小さいから、まだ敷物に余裕があるよ」


わたしはただ純粋に、彼の体を思って言ったのだ。


けれど彼は苦い声で、

「私は自信がない」

と呟いた。


「え、自信て何の?」


わたしは訳が分からず問い返すと、彼は咳ばらいをしながら

「もういいから、寝るぞ」

と言って、それ以上話をしてくれなくなってしまった。