【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

でも、温かい。


彼の人柄そのままに、抱かれる腕は温かかった。


わたしはことりと彼の胸に頭をもたせかけた。


彼が小さく身じろいだ。


かと思うと、ふっと腕の力が弱まった。


「誰かに抱いてもらったの、初めてだ」


「そうか……」


おそらくわたしは親に抱かれたこともないだろう。


乞食である時も、みすぼらしいわたしに誰も触れようとはしなかった。


こうして抱かれたたのは秀政だけだ。


「やはり秀政は優しいな。わたしが怖がっているから、抱いてくれたのだろう?」


わたしの言葉に、彼が小さく笑ったのを感じた。


「何?」


「いや……」


「違うのか?」


「いや、そうだよ……」


言いながら、彼は腕を解いた。