小さな寺だから、人手は少ない。
でも飯炊きのばあさまくらいはいる。
なのに何故わたしが慣れない炊事をしなければならないのか。
最初わたしは、そう尼さまに言い募った。
飯炊きが面倒だから、ではない。
わたしの作った不味い食事を、尼さまに食べさせたくなかったのだ。
けれど尼さまは、いつもの無垢な笑顔のまま、
「そなたが美味しくなるように思いを込めて作ってくれたものなら、美味しくない筈はないでしょう」
と、心底からそう思っているに違いないと思うような穏やかな声で言ったのだった。
そんな笑顔と言葉を向けられたら……。
わたしは頷くほかなく、その日から尼さまの食事係に任じられたのだ。
でも飯炊きのばあさまくらいはいる。
なのに何故わたしが慣れない炊事をしなければならないのか。
最初わたしは、そう尼さまに言い募った。
飯炊きが面倒だから、ではない。
わたしの作った不味い食事を、尼さまに食べさせたくなかったのだ。
けれど尼さまは、いつもの無垢な笑顔のまま、
「そなたが美味しくなるように思いを込めて作ってくれたものなら、美味しくない筈はないでしょう」
と、心底からそう思っているに違いないと思うような穏やかな声で言ったのだった。
そんな笑顔と言葉を向けられたら……。
わたしは頷くほかなく、その日から尼さまの食事係に任じられたのだ。

