【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

以前は名前らしい名前などなかった。


適当に、その場しのぎの呼び方で呼ばれていただけだ。


そんなわたしに尼さまは名を付けてくれると言うのだろうか。


「そなたはどのような名がよい?」


わたしは首を横に振った。


「わからない」


それが正直な答えだった。