【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「じゃあ尼さまも、わたしが秀政と尾張に行った方がいいと言うのですか?」


「それは、そうよ。何と言ってもわたくしは、初めからそう思っていたのですから」


ああ、そうですか……。


尼さまなら、わたしがここに残ることを喜んでくれると思っていたのに。


返ってきたのは、思っていたのとまったく逆の反応だった。


「せっかく思いが通じたというのに、どうして離れなければいけないの?」


「それは……あの河原の子供たちを見捨てておけないから」


「なら、秀政どのは見捨ててもいいの?」


「秀政だったら、相手はいくらでも見つかると思うから」


「まあ、そんなこと」


秀政は話しにならないとでも言うように首を振ると、部屋を出て行ってしまった。


「わたしの言ってること、変ですか?」


「かなりね」