【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

ふわりと体が温かいものに包まれた。


「秀政?」


「私はずっと迦陵に側にいてほしいと思っていたよ」


「……うん」


「尼御前さまの寺で初めて迦陵を見た時から、私はお前に惹かれていた」


「あんな死にぞこないのわたしに?」


秀政が小さく笑った。


「死にぞこないじゃないよ。迦陵の眼は死んではいなかった。生きようと輝いていた。私はその輝きに惹かれたんだ」


体を離し、わたしの頬に手を添えた秀政は、

「今はますます美しくなった」

と囁いた。


わたしの顔は、今までの中で一番赤いに違いない。


心の臓の音がばくばくと大きくて、耳まで脈打ってるみたいだ。