「…………」 「ん、なんだ?」 わたしの乾き切った口からはヒューヒューという音しか出ず、尼さまにも男にも、わたしが何を言ったか伝わらなかったらしい。 「少し水を飲みなされ」 尼さまがそう言うと、男がわたしの体の下に手を差し入れ、ゆっくり敷き物の上に起き上がらせた。 「軽いな……」 男がそう呟いた。 実際、この屈強な体付きの男にとっては、わたしの骨と皮だけの体など真綿を持ち上げる程度のことだったろう。