【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「邪魔してすまない。夕餉の支度ができた故、お迎えに参った」


「え?あ、あの……秀政は?」


その問いに、男は小さく笑うと、

「秀政どのもお待ちだ。ついて参れ」


有無を言わせぬ感じだった。


「あなたは誰ですか?」


「俺は信長さま近習、前田利家」


名乗るだけ名乗って、前田という男はさっさと長屋を出て行ってしまった。


わたしはついていくべきか迷った。


秀政自身が来るまで待つべきじゃないか。


でも……。


最後には空腹に負けてしまった。


過去が過去だけに、わたしは空腹に対して恐怖心があるのだ。


草履を突っかけて表に出ると、前田さんが雪の中待っていた。


しんしんと降り続く雪は、もう草履が埋まるほど積もっていた。


「明日は雪掻きが大変だ」


前田さんはそう言ってにかっと笑うと、先に立って歩きだした。