【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

峠道に差し掛かり、馬は鼻息荒く坂道を登っていく。


秀政は何故か、部隊とは一定の距離を保って馬を進めていた。


きっとわたしが信長さまに見つからないように気を遣ってくれてるんだ。


わたしが清洲から姿を消した時には、信長さまはたぶんものすごく荒れただろうから。


ここでわたしが何食わぬ顔で部隊の後ろにくっついていると知ったら、どれほど怒るだろう。


わたしはその時のことを考えて小さく身震いした。


「どうした?」


そのことを敏感に感じ取った秀政が、わたしの頭の上で眉をひそめた。


「ん、ううん。なんでもない」


「……じゃあ、実のお母さんは亡くなっていたんだ」


秀政は話題を戻すようにそう言った。


彼がどうしてここにいるか納得したあと、わたしは今日一日あったことを彼に話し続けていたのだ。