【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「う、うん、あのね」


「ああ、ちょっと待って。京に帰る?」


「あ、そ、そうね。ちょうど帰ろうと思っていたところ」


「だったら、一緒に行こう」


「え?」


「早く。部隊が行ってしまう」


気付けば一団とはもう随分離れてしまっている。


「さ、早く」


秀政はひらりと馬に飛び乗るとわたしに手を差し出した。


一瞬ためらったものの、このまま秀政とは別れがたかったし、この疲れた体で雪の降り続く峠を越えるのも億劫だったから、わたしは彼の手を掴んで馬の上に上げてもらった。


「じゃあ、行くよ」


秀政は、横向きに座るわたしがずり落ちない程度の速さで馬を進めた。


本当に、相変わらず優しい人だ。