【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

供の者によると、信長さまが目の前を通り過ぎる際に、わたしが跪かなかったのが気に入らなかったらしい。


だからと言って、何も突き飛ばさなくてもと思うのだが、肘を擦りむいたくらいだったから、まあいいか。


そんなことよりも……。


「迦陵、すまなかった」


謝る彼に、わたしはにやけっぱなしの顔でかぶりを振った。


「ううん、平気。秀政に会えたことの方が嬉しいもん」


そうなのだ。


彼に会えたことで、他のことなんてどこかへ飛んでしまった。


久々の彼は相変わらず浅黒いけど、それがまた彼の逞しさをいっそう際立たせていて格好いい。


そして何より、その変わることのない優しい眼差しに、わたしは癒されていった。


「ところで迦陵。どうしてこんな所にいるんだ?」