【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「どうした?」


突然掛けられた声に、わたしを突き飛ばした供の者は言い訳するように何か言っている。


わたしはまだ袂で顔を隠していたから直接その人の顔は見えないけれど、その声には聞き覚えがあった。


聞き覚えどころじゃない。


その声を聞いただけで、わたしの鼓動はどきどきと早くなる。


そして、言いようの ない温かい気持ちが胸いっぱいに溢れてくる。


隠れている場合じゃない。


わたしは急いで顔を露わにした。


刹那。


その人の驚いた顔が目に飛び込んできた。



「迦陵……」



彼の搾り出した声に、わたしは満面の笑顔で答えていた。