【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

街道を行くのは、具足を着けた一団だった。


「ありゃ、織田さまだぁ」


若夫婦の夫の上げた声がこちらにまで届いた。


織田さま?


わたしは女のことなどすっかりどこかへ飛んでしまって、若夫婦の元へ走った。


「あれは本当に織田さまなんですか?」


「あれ、あんたは……」


わたしがまた現れたことに驚いたようだったが、

「ああ、間違いねぇ。だってあれは織田さまの旗印だもの」


「ど、どうして具足を着けて?いくさでも始まるの?」


「さ、さあ、おれもそんなことまでは知らねえ」


わたしはいても立ってもいられなくなった。


後ろを振り返り、呆然と立ち尽くしている後妻に会釈すると駆け出した。


徐々に近づく街道。


わたしは織田家から逃げ出して来たというのに、何故走っているんだろう。