【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

三条大橋のたもとに立って、河原をぐるりと見渡した。


わたしと同じ年頃のものから、まだ年端のいかぬ幼子まで。


寒さに打ち震えながら、ひと所に固まっている。


かと思えば、ひとり離れた場所で体にこもを巻き、ごつごつした石の上に寝転がっているものもいた。


皆明日をも知れぬ身だった。


「いない……」


わたしが数人の子供たちとたむろしていた場所には、違う顔触れの集団が陣取っていた。


「どうなってしまったのだろう」


希望はなかった。


わたしとて、一度は死んだ身だ。


彼らが今まで無事であったという保証はどこにもなかった。


「わたしは本当に運が良かったのか……」


そこから逃げるように足早に橋を渡った。


河原の子供たちとわたしとはもう住む世界が違う。


そう痛感した瞬間だった。