尼さまの寺に来た時にはその存在をすっかり忘れていたのだからどうしようもなかった。
けれど。
「今あなたの持っている包みの中に入っていますよ」
と尼さまが言った。
「……どうして、この中に?」
知っていたのに、尼さまはお守りについて一切触れなかった。
尼さまは「ここで少し休みましょう」と言って草の上に座ると、「包みを開けてごらんなさい」と言った。
わたしは草の上に包みを広げると、中からは団子が数個と紙にくるんであったお守りが出てきたのだ。
「これ」
わたしは咄嗟に手に取った。
丸い小さなお守り。
ところどころ破けて、古びてしまっている。
けれどわたしは懐かしさでいっぱいになっていた。
「ごめんさいね。あなたに渡さなければとずっと思っていたのだけれど、どうしても調べたいことがあって」
「調べる?何を……」
「お守りを開いてごらんなさい」
言われてお守りの口の部分を開けると、中には小さく折りたたまれた紙片が入っていた。
けれど。
「今あなたの持っている包みの中に入っていますよ」
と尼さまが言った。
「……どうして、この中に?」
知っていたのに、尼さまはお守りについて一切触れなかった。
尼さまは「ここで少し休みましょう」と言って草の上に座ると、「包みを開けてごらんなさい」と言った。
わたしは草の上に包みを広げると、中からは団子が数個と紙にくるんであったお守りが出てきたのだ。
「これ」
わたしは咄嗟に手に取った。
丸い小さなお守り。
ところどころ破けて、古びてしまっている。
けれどわたしは懐かしさでいっぱいになっていた。
「ごめんさいね。あなたに渡さなければとずっと思っていたのだけれど、どうしても調べたいことがあって」
「調べる?何を……」
「お守りを開いてごらんなさい」
言われてお守りの口の部分を開けると、中には小さく折りたたまれた紙片が入っていた。

