まだまだ心配そうなねねさまを送り出して一息ついたのもつかの間、昨日信長さまに言われていたことを思い出した。
ねねさまの突然の訪問に失念していたけど、「朝すぐに来るように」と言われていたのだ。
「大変だ!」
慌てて部屋を飛び出した。
廊下を早足で行くと、出会った女中たちに咎めるような視線を送られた。
そんなこと気にしていられない。
自分の思い通りにならなかったら途端に不機嫌になる信長さまだもの。
着いたらひたすらに謝らなければならないだろう。
けれど。
廊下を曲がり、もうすぐ信長さまの部屋というところになって、わたしはある人影に気が付いた。
その廊下は昼間でも薄暗く、目を凝らさなければ誰か分からない。
ようやくそれが見知った背格好であることに気付いた。
何か書類のようなものと睨めっこしているその人影を、わたしは大きな声で呼んだ。
「秀政っ!!」
ねねさまの突然の訪問に失念していたけど、「朝すぐに来るように」と言われていたのだ。
「大変だ!」
慌てて部屋を飛び出した。
廊下を早足で行くと、出会った女中たちに咎めるような視線を送られた。
そんなこと気にしていられない。
自分の思い通りにならなかったら途端に不機嫌になる信長さまだもの。
着いたらひたすらに謝らなければならないだろう。
けれど。
廊下を曲がり、もうすぐ信長さまの部屋というところになって、わたしはある人影に気が付いた。
その廊下は昼間でも薄暗く、目を凝らさなければ誰か分からない。
ようやくそれが見知った背格好であることに気付いた。
何か書類のようなものと睨めっこしているその人影を、わたしは大きな声で呼んだ。
「秀政っ!!」

