【戦国恋物語】出会いは突然風のように…

「今、殿のお側にいたいというならそれでいいわ。悔いのないようにおやりなさい」


ねねさまはそう言って微笑んだ。


「でも、忘れないでね。秀政どのは会えない今も、あなたのことを見守ってくれてることを」


「はい」


ねねさまはもう一度微笑み立ち上がった。


「また来るわ」


「はい、今日は来てくださって、本当に嬉しかったです」


わたしはありったけの感謝を込めてそう言った。


部屋を出て行こうとしたねねさまは、そこで立ち止まり振り向いた。


「ねねさま?」


「迦陵。あなた、殿のことを信長さまと呼んでいるの?」


「……はい。殿がそう望まれたので」


「そう。では、あなたが殿の側室になるという噂は本当なの?」