「もちろん今も秀政は、わたしにとってかけがえのない大切な人です。あの人がいてくれたから、わたしはここにいるのですから。あの人がいなければ、とっくにわたしは黄泉路に旅立っていたはずです。
だから、あの人はわたしの恩人なんです。わたしの知らない、いろいろなことを教えてくれた。言葉も、作法も……生きることの楽しさも。尼さまと一緒にすべて秀政が教えてくれたんです。
だから、秀政はわたしの一番大事な人なんですよ」
そこまで言って、ねねさまを見た。
ねねさまもじっとわたしを見返している。
ややしてねねさまがこう言った。
「あなたはまだ本当の恋を知らないのね」
「それは、どういう……?」
「いいえ。いいの。あなたはそれでいいのよ。
自分の気持ちに素直に従えばいい。そうすれば自ずと、もっとも大切なものが見えて来るはずです」
「……」
だから、あの人はわたしの恩人なんです。わたしの知らない、いろいろなことを教えてくれた。言葉も、作法も……生きることの楽しさも。尼さまと一緒にすべて秀政が教えてくれたんです。
だから、秀政はわたしの一番大事な人なんですよ」
そこまで言って、ねねさまを見た。
ねねさまもじっとわたしを見返している。
ややしてねねさまがこう言った。
「あなたはまだ本当の恋を知らないのね」
「それは、どういう……?」
「いいえ。いいの。あなたはそれでいいのよ。
自分の気持ちに素直に従えばいい。そうすれば自ずと、もっとも大切なものが見えて来るはずです」
「……」

