あたしの告白に、ソラはただ頷くだけだった。

だけどその表情はとても穏やかで、優しくて。



「……少しは嬉しいって思ってくれた?」

「思ったよ」




返事の代わりに、ソラはあたしをぎゅっと強く抱きしめてくれた。

そして、

「めちゃめちゃ嬉しい。……ありがとう」

って。



その時、ソラから返ってきた言葉はそれだけだった。




だけど、いい。

「俺も……」なんて軽い言葉は必要ないもの。




あたしの好きな人がそばにいてくれる。

そして、あたしの「好き」を受け止めてくれる。



今は、それで十分──。




小さくて、骨ばったソラなのに

その胸は大きくて、柔らかくて、温かくて。



今まで、ソラに抱きしめてもらったことは何度もあった。

だけど、ソラの体を『柔らかい』と感じたのはこの時が初めてだった。



あたしはソラの胸の中で目を閉じた。



ソラの背中に手を回してぎゅっとその手に力を込めると、

抱きしめられているのに、

まるであたしがソラを抱きしめているような気持ちになった。




「ありがとう、ソラ。あたし幸せだよ?」




気がつくと、いつの間にかあたしの涙は止まっていた。