それから、あたしは長い時間をかけてシャワーを浴びた。

ぬるめのお湯を張ったバスに身体を沈めると、ようやく、ガチガチに固まっていた心も身体も解れていく気がした。


広い部屋には、ベッドも、窓側に置かれたテーブルの椅子も2つ。

洗面所のスリッパも、歯ブラシも、コップも、バスタオルも、


全部2つずつ。



さっき、隣の部屋に先輩と一緒にいたときには何も感じなかったのに。

……あたし1人で使うには、この部屋はちょっと広すぎる。


ようやく1人きりになれてほっとしたっていうのは正直な気持ちだった。

だけど、広い部屋で、1人ぽつんとベッドに座っていてもどこか落ち着かなくて。



……先輩はどうしているんだろう?


……キラとソラは?




それ以上何も考えたくなくて、

あたしは目をつぶり息を止めると、湯船の中に沈んでいった。