……にしても… さっきからずっと同じ塀が続いてるんだけど。 この塀の向こう側は何の建物なわけ…? こんな大きな敷地だったら、めちゃくちゃ広い建物なんだろうなぁ… 同じ塀の横をてこてこ歩いていると、どうやらその建物の正面についたらしく、門が見えてきた。 表札がある。 ――家だったんだ…… こんな豪邸に住んでるってことは…相当のお金持ち? そういう人って、本当にいるんだなぁ… 通りすがりながら、表札に何気なく目を向けた。 “上牧”