『佐久浪 賢杜(サクナミ ケント)』 それが写真の男の名前。 どうして落として欲しいのかとか、 アンタはどこの誰で、この写真の男とどういう関係なんだとか、 訊きたいことはたくさんあったけど、俺は黙っていた。 ただ、もめ事に巻き込まれるのは真っ平。 それだけ伝えると、男は何度も否定を繰り返した。 だから俺は、いざとなったらバックレることを条件にして引き受けることにした。 「上手くいくかはわからないよ?」 そう言った俺に、男は小さく頷いた。