俺は開いた口がふさがらなかった。 (何言ってんだ、コイツ?) なかなか返事をしない俺に痺れを切らしたように、男は言った。 「1ヶ月で、落として欲しい男がいるんだ。 落とせたら金も弾む」 サングラス越しにもわかる、男の必死な視線。 ちょっとした好奇心と破格の金に、俺は心が動いた。 どうせ、1日に1人の客しか相手してないんだ。 それなら、毎日同じ客がついてると思い、安定した収入が入ってくる方がいい。