唇を合わせ、命を味わうかのように口の中に這わせていく、この瞬間がたまらなく心地良い。


口盖に蠢かすと、賢杜がうっすらと反応を返してきた。


迷っていたのだろう。


瑠唯への想い、

俺が男だということ、

そして出逢ったばかりだということに。


だが、そんなことは忘却の彼方へ飛ばしてやる。


男でも女でも行為は出来ると教えてやるさ。


俺は徐々に唇を離しながら、後頭部に落ち着かせていた手を下に動かし、首筋を伝わせて背中へと回した。