DVDを取り出しながら、佐久浪は時計を見た。 「もうこんな時間か。 長く引き止めてしまって悪かった。送るよ」 そう言って、佐久浪は立ち上がった。 俺が時計を見ると、夜9時をさしていた。 「……時間なら平気」 ぽそりと答えた俺に佐久浪は一瞬戸惑い、そっと俺の顔を覗き見た。 「平気って……ご両親が心配するだろう?」 「俺、追い出されたんだよね」 はすっぱな物言いに、佐久浪は少しだけ眉をひそめた。 いや、『追い出された』に反応したらしかった。