「いや、いいよ別に」 俺は佐久浪を押し込むようにして中へ入った。 「何名様ですか?お煙草は……」 ウェイトレスのお決まりの文句に適当に答えて、案内された席へ座る。 なんとなく目に止まった白玉ぜんざいをオーダーすると、佐久浪はメニューも見ずに抹茶パフェを頼んだ。 「よく来んの?」 頷いた佐久浪を見て、俺は頭の中に『甘党』と刻み込んだ。