「どうしていた?」

「別に。
普通に生活していたよ。」

「まだ正典の事を
忘れていないのか?」

「忘れられないよ。一生。

けど全てを受け入れて
くれた人と出会って
今度結婚するんだ。」

「嘘だろう・・・・。」

「本当だよ。私は一生
恋愛なんて出来ないと思っていた。

けどね。

その人は私に無償の愛を
注いでくれたの。

私の閉ざしていた心を
解かしてくれたの。

私はその人と一緒に
幸せになりたいと
思って結婚するの。

どちらが幸せにするのではなく
一緒に幸せになろうって言ったの。」

和幸の顔は暗かった。