「冬の海っていいもんだな。

絵梨のことで佳世と別れた時、
ずっと海を見に来ていたんだ。

ここで何も考えず
ただただ佳世の事ばかり
思い出していんだ。」

握っている手を強く
握ってきた。

「佳世の事を思い出すと
自分が自分でいられた。」

「ごめんね。私のせいで
巧が辛い思いをして・・。」

「ごめん。変な事言って
けどそれだけ佳世が
愛しているんだ。
これを受け取って欲しい」

と小さな箱をくれた。

私は開けてみると
指輪が入っていた。

「高校卒業したら
結婚して欲しい。

本当は大学卒業するまで
待とうと思っていたが
一緒に居たいんだ。」

と言われ私の目には
涙が溢れてきた。