(洋side)
それはあっという間だった。
あのヘラヘラ、フニャフニャした和之があっという間に男、4人を倒してしまったのだ。

『お前、弱いんじゃねーのかよ?!』
『弱かったら洋なんて迎えに来ないよ!』

き、厳しい…

『お前ら…覚えてろ…よ…』

力尽きる寸前の男が指を差してそう言う。
和之はその指を踏ん付けた。

『商業科をなめんなよ? 不良の集まりだぜ。』

和之。
自慢になってねーよ…




『あー! 腹減った!』

和之と俺はそのまま駅前のファミレスで夕飯を食べる事にした。

『あッ あの…ご注文は…』

何だか妙に店員の態度がよそよそしい。
席も何故かトイレの隣に案内された。

『洋、何でルミと別れたんだよ。』

和之は席につくなり、そう切り出した。

『知ってたんだ。 理由なんてねーよ?』
『…』

和之は明らかに不機嫌そうな目をした。
俺の答えが気に入らないんだろう。

『強いて言うなら、あの女より和之の方が楽しいからだよ。』
『…え?』

あ、赤くなった。

『本当に単純な奴!』
『う、うるせー!』

和之を傷付けたくなかった。
余計な事で悩ませたくなかった。

もしかしたら俺、和之の事好きなんかな…?

『あー! 何か俺らの会話、ヤバくねーか?!』

真っ赤になりながら言う和之。

『さぁ?』
『絶対にヤバく思われてる! ちょっと便所で顔冷やしてくるわ!』

和之は早口でそう言うと隣のトイレに入っていった。

何だか面白くて俺もついていく。

『ついてくんなよ! おホモ達だと思われる!』
『ぷっ! んなわけあるか!』

大笑いしながらトイレに入ったその時、俺達は言葉を失った。

鏡に映った自分達の顔は腫れ上がり、赤や青、紫…
色とりどりのアザがあった。

『まさか… 店員の態度がおかしかったのは…』
『ッあはははは! 和之すげー顔!』
『洋だって! 今日から洋のモテモテ人生はおしまいだぜ!!』
『あはははは!』

俺達はお互いをけなしあって大爆笑した。

この日、俺に初めて「親友」という大切な人が出来たんだ。