ふと視線を落として、手を動かして海を覗き込んだ。
「……」
あれ?
「あ…………ああああッ!」
あったー!
崖の突き出た岩肌に、苺のリングが引っかかっていた。
手を伸ばせばなんとか届きそうだ。
海までの距離は、そんなに高くはないけど。
それでもきっと5メートルはあるはず。
落ちたら、きっと怪我だけじゃすまなかも。
――ゴクリ
「……スウー、はあああ」
あたしは大きく深呼吸をすると、地面へ寝そべって崖から手を伸ばした。
よかった……。
届きそう。
「も……すこし……」
指先が触れた。
やったあ!
一気に取ろうと身を乗り出した、その時だった。
カラーン
あたしの手をすり抜けて、そのシルバーの歪な指輪は静かな海へと落ちていった。
ウソ。
ウソッ!
どうしてッ……
伸ばしていた手に力が入る。
その時、体を支えていたもう片方の手が滑ってしまった。
「えッ……」



