「小夏!!」

「えッ…!?」





聞き覚えのある声。



だけどいつもの彼とは
違う真剣な声。





「…海、くん?」

「そーだよ!海だよ」



あたしは急いで
涙をぬぐった。



「ど、どうしたの?」



ひきつった笑顔で
明るく振る舞ったけど

海くんには
お見通しだった。





「泣くな」

「えッ…」



次の瞬間、あたしは
海くんの腕の中にいた。



「海くん…?」

「晴なんかの為に
泣くなよ。
無理に笑うなよ。

オレそんな小夏は
見たくない」