だからケンタは、中学時代に付き合った人はいなかった。 なんでなのかは分からなかった。 「葵~! 頼む!数学の宿題写させてくれ!」 「いいけど、なんかおごってくれんでしょうね?」 ニッコリと微笑む私。 「お前…。マジで性格問題あるぞ」 「ケンタほどじゃないし」 「…分かった。帰りになんかおごるって」 いつもこんな感じで。 私達は友達のままで、 ずっと変わらないと思ってた。 あの日までは。